SSブログ

カンデラリア教会虐殺事件とバス174に関係する青年サンドロとは? [事件]

「カンデラリア教会虐殺事件」と「バス174」という

事件をご存知でしょうか?

どちらの事件も犯罪率の高い国であるブラジルで

起きたものです。

実はこの2つの事件には1人の男が関わっています。

その男の名前はサンドロ・ド・ナシメント

彼は通常の人間とは比較できないほどの人生を

歩んでいくのですが、どのような人生なのかを

ご紹介したいと思います。



サンドロは父親のいない貧しい家庭で育ちました。

彼が10歳のころ、自分の目の前で母親が

3人の強盗によってナイフで刺され殺害されます。

その事件がトラウマになったサンドロは祖母に

引き取られましたが、環境が合わずに家出をします。

1人になった彼は生きてゆくためにリオデジャネイロで

乞食や金持ちに対して泥棒などをして何とか生計を立てて

いました。

リオデジャネイロの繁華街にはカンデラリア協会という

ストリートチルドレンたちを保護する場所があり、

サンドロもこの教会を寝る場所にしていました。

そして1993年7月23日に事件は起こります。

前日の22日の朝方にストリートチルドレンがパトカーに

石を投げつけたことがきっかけで、非番の警察官や

ストリートチルドレンを良く思っていない人間の集団が

教会に押し寄せ、銃を発砲してきたのです。

協会の中には70人もの子供がおり、サンドロもその中の

1人でこの時の彼の年齢は14歳でした。

結果的に8人もの子供が命を落とし、後にこの事件は

カンデラリア教会虐殺事件」として報道されるのです。



スポンサードリンク






カンデラリア教会での事件のあと、麻薬や強盗などで

何度も少年鑑別所を出入りするようになります。

少年鑑別所では8人用の部屋に30人を無理やり

詰め込み劣悪な生活をさせており、看守による

日常的な暴力や賄賂などもあったそうです。

これが原因となりサンドロは警察を恐れるように

なります。

それから何年か経過してサンドロは21歳の青年へ

成長します。

2006年6月12日。

サンドロはリオデジャネイロの174路線を走るバスに

乗車していました。

彼は拳銃を所持しており、その場を別の乗客が目撃して

警察に通報してしまいます。

焦ったサンドロはバスジャックを試みますが失敗。

停止したバスの中で乗客を人質として立てこもり、

バスの周囲は警察、メディア、やじ馬であっという間に

埋め尽くされます。

この状況にパニックになったサンドロはわめき散らす

中で「自分はカンデラリア教会事件の生き残りだ!」

と口にするのです。

ブラジルではカンデラリア教会事件は有名だったため、

この発言にメディアは一斉に騒ぎ始めました。

サンドロの心の中は、何としても警察から逃げたい。

もう刑務所には入りたくないという感情でいっぱい

でした。



スポンサードリンク






警察の交渉人がサンドロの要求を聞きますが、

話は噛み合わず時間だけが過ぎていきました。

痺れを切らしたサンドロは、1人の人質の女性を

盾にしてバスの外に出ます。

人で埋め尽くされたこの場に逃走経路を作ろうと

したのです。

しかし、サンドロの後ろでは彼を取り押さえようと

警察の特殊部隊の隊員が音を立てずにゆっくりと

近づいていました。

確保まであと1mというところで、サンドロが

隊員の存在に気付きます。

それと同時に隊員が銃を2発発砲。

1発目ははずれ、2発目は最悪なことに人質の女性の

顔に当たってしまったのです。

更に、サンドロも持っていた拳銃で3発発砲しますが、

それも女性の背中へ命中。

女性はその場で息を引き取ります。

その後は、サンドロは大勢の警察に取り押さえられ、

パトカーへ押し込まれました。

そして、パトカーの中で警察に首を絞められて、

刑務所に到着するころには窒息死で亡くなります。

対応した警察は故意ではなかったとして、釈明を

していましたが、真相は分かりません。

この結末はもちろんサンドロの自業自得といえば

そうなりますが、それ以外にもブラジル警察の

能力の低さや、犯罪者を生んでしまうブラジル社会

全体の問題も浮き彫りになった事件なのです。



スポンサードリンク



Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。